電気化学会出版物に関する著作権

このWebサイトは本会著作物(書籍・雑誌・講演要旨・Webサイト・動画等)の二次利用(複写・転載等)と著作権補償に関わる手続の説明とおよび本会著作権ガイドラインに基づくFAQの紹介のために開設されたものです.本会著作物を利用される皆様におかれては,このWebサイトをご覧戴き,適切な利用と手続をお取り下さい.
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(目次)
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著作権に関するFAQ・全文


本FAQは利用者からの問い合わせをもとに構成したものです.なお,本文中の著作権法は2022年6月17日施行(令和4年法律第68号による改正)によります.本FAQに書かれていない内容で,本会出版物の著作権等に関わるご質問は電気化学会事務局(著作権担当)にお問い合わせ 下さい.


1. 定期刊行物(学会誌・論文誌)の利用・ダウンロード


Q1-1. 論文誌『Electrochemistry』の記事はどこでダウンロードできますか?どのようにすれば読めますか?

A1-1. 『Electrochemistry』は過去に刊行されていた『電氣化學』・『電気化学および工業物理化学』およびそれらの欧文誌とともに,ほとんどの記事をJ-STAGEに掲載しています.また,2000年発行の第68巻までは,国会図書館デジタルコレクションでも公開されています.いずれも著作権法第31条「図書館等での利用」に基づき,会員資格の有無にかかわらず,ダウンロードによる閲覧できます.[back]

Q1-2. 学会誌『電気化学』の記事はどこでダウンロードできますか?

A1-2. 『電気化学』は正会員・シニア会員に冊子体を年4回送付している他,J-STAGEにおいて公開されています(一部の記事は会員のみへの公開).[back]

Q1-3. 『電気化学』の記事をJ-STAGEで読もうとしたら「ID」「パスワード」の入力が求められました.どうしたらよいですか?

A1-3. 電気化学に掲載される特集記事・測定法記事については会員限定で公開されるものであり,読むためには会員番号とパスワード(生年月日YYYYMMDDの8桁の数字)の入力が必要です.学生会員(大会学生会員は除く)もログインすることにより閲覧できます.法人会員・特別法員会員に所属されている個人の場合は,学会への連絡担当者にお問い合わせ下さい.非会員の方は読むことができません.会員からの譲渡((一社)学術著作権協会(JAC)複製利用許諾システムを通して補償金を支払う)または国立国会図書館等,公共機関を通して取りよせて下さい.電気化学会事務局ではPDF送付等の取り扱いは行いません.また,従前のPay-per-view機能のサービスは終了いたしましたので御了承下さい.[back]

Q1-4. 電気化学会法人会員の会社に勤務しています.個人会員ではないので最近発行された『電気化学』の特集記事がJ-STAGEから直接ダウンロードできません.法人会員のIDとパスワードを知っている社内の担当者からPDFファイルをメールを送ってもらってもよいでしょうか?あるいは,グループ全員が受け取れるようにPDFで送ってもらってよいでしょうか?

A1-4. 社内にて担当者にお問い合わせの上,コピーまたはPDFファイルを管理者から送付してもらって下さい.またこの場合に限り,受信者の人数が複数であってもかまいません.本会は法人会員への特典としてJ-STAGEで電化誌閲読できるIDとパスワードの発行を申請していただいていれば,法人会員に対して1つ,特別法人会員には2つ配布しています.IDとパスワードの管理は各法人の連絡担当者にお任せしていますので,なお,連絡担当者がお分かりにならない場合は,電気化学会事務局( ecsj@electrochem.jp )までお問い合わせ下さい.
 なお,いったんダウンロードされたPDFファイルや印刷されたコピーを他者に再配布することは,ダウンロードの場合とは異なり,再配布した分,補償が必要となりますのでご注意下さい.詳しくはQ3-3をご覧下さい.[back]

Q1-5. 出席できなかった大会講演予稿集を手に入れたいのですが,バックナンバーの販売や複写はしていただけるでしょうか?

A1-5. 大会最終日翌日から開催後1年まで講演要旨集は非公開になります.事務局や委託業者からのバックナンバー販売は一切行いません.大会の講演要旨集は参加登録者に限定して頒布されていますが,開催後1年経過してから本会HPにおいて公開します.また,複写をご希望の方は,国立国会図書館にて閲覧・複写していただくか,参加者に個人的にあたっていただくようお願いいたします.他の参加者から入手された場合には,複写に関する手続に記載のように,JAC複製利用許諾システムを通じて補償金の支払の手続きをお願いします.[back]


2. 著者の権利と著作権の譲渡


2-1.『Electrochemistry』について

Q2-1-1. 『Electrochemistry』に投稿した論文が採択されました.掲載後,この論文を自由に配布したり,他の執筆記事に利用(転載)したり,日本語で解説記事を書いてもよいですか?

A2-1-1. 『Electrochemistry』に掲載された論文の著作権は著者に帰属され,この論文に関するあらゆる権利が保証されています.著者はその目的が営利・非営利にかかわらず,この論文を元に他の出版物に解説記事を執筆したり,学位論文に利用したり,機関リポジトリに載録することは全て可能です.
 なお,Electrochemistry Vol.88, No.2以前に掲載された論文の著作権は本会に譲渡されています.これらの論文に関する取り扱いは,現行の『電気化学』に準じます.詳しくは「2-2. 『電気化学』について」をご覧下さい.[back]

Q2-1-2. 『Electrochemistry』に投稿した論文に関する解説記事の執筆を依頼されました.事実上,全文転載であっても受けることはできますか?二重投稿にはならないでしょうか?また,解説記事は著作権譲渡を求められていますが,この場合,著者の権利を失うことになるでしょうか?

A2-1-2. 『Electrochemistry』に掲載された論文の著作権は著者に帰属されているため,本会が何らかの制限を加えることは一切ありません.ただし,原典の表示は必ず行い,転載記事であることを明記して下さい.二重投稿の懸念は著作権の問題ではなく,学術倫理に関わる問題ですので,解説記事の依頼元が問題にしないのであれば,二重投稿にはなりません.業績としてダブルカウントとなるか否かについても,業績の提出先が決めることですので,その指示に従って下さい.また,二次出版を行う出版者に著作権の譲渡を行うと,その出版者が著者の権利を二次出版物に限り制限することになります.ただし,この制限については本会が関与するものではありませんので,出版先とよくご相談下さい.なお『電気化学』に掲載された記事に対する依頼に関する対応についてはQ2-2-8をご覧下さい.[back]

Q2-1-3. 『Electrochemistry』に投稿した論文が他国で無断で翻訳され,有料で転売されてしまいました.この場合,差し止めを求めることはできますか?論文のCreative Commonsの指定はCC BY 4.0で ,著者名は正しく表示され,典拠は示されています.

A2-1-3. 著者に著作権があってもCreative Commonsの指定をCC BY 4.0と指定した場合は,営利・非営利にかかわらず,あらゆる複写,転載,Remix(改変)が何人にも認められています.このライセンスは著作物が利用者に制限なく利用されることで,その論文の内容が広く普及されるために設定されているものです.著者名や原典が正しく示されていれば,著者への連絡がなくても正当な利用となりますので,営利目的で翻訳論文を販売することも差し止めはできません.
 営利目的による利用が望ましくないと思われる場合はCreative Commonsの指定をCC BY-NC-SA 4.0として下さい.但し,その場合の著作権の行使に関わる手続の一切は著者に行っていただくことになります.また,一度設定されたライセンスの種類はCreative Commonsの取り決めにより変更することはできませんので,その設定は論文投稿の際によくご検討下さい.[back]

Q2-1-4. 『Electrochemistry』にCreative CommonsのライセンスをCC BY-NC-SAに指定して掲載された論文について,出版社から営利目的の書籍に対して転載の許諾について依頼がありました.どのように対応したらよいでしょうか?このような手続は学会が行ってもらえないでしょうか?

A2-1-4. NC(非営利目的のみ利用可)がついた論文を営利目的で利用する場合は著者の責任においてその都度判断し,利用者に利用の許諾およびその補償方法・補償額について連絡する必要があります.Electrochemistryに掲載された論文はオープンアクセスですが,営利目的の使用はライセンスに含まれないため,利用者は著作権者に直接問い合わせることがあるためです.本会は著作権が著者に帰属されている論文に関する著作権の取り扱いについて委任を受けていませんので,その判断に対して本会は一切の干渉をしません.(著者の手引き第4章Column 3「Electrochemistryに投稿される論文に附与できるCreative Commons Licenseの種類」参照)[back]

Q2-1-5. 『Electrochemistry』の論文のCreative Commonsの指定では,なぜND(改変禁止)を指定できないのですか.

A2-1-5. CCライセンスのカテゴリーにND(改変禁止)が含まれる場合,改変を全く加えていない原文の再配布(すなわち複写)以外はすべて著作権者への許諾を取る必要が生じます.論文作成時に既報の一部(例えばグラフ)のデータを抜き出して,自身のデータと合わせて比較図を作成したり,文章や図の引用を行うことは,著作権上のリミックス,改変,該当する資料をベースに新しい論文を作成したりすることに当たり,NDを宣言された論文に対してはすべて著者の許諾が必要になってしまいます.学術論文は広く学術的な発展に寄与する出版物であり,転載時にその都度著者に連絡し,許諾を得ることが必要なNDは現実的ではありません.Open Accessのポリシーでもできる限りNDは避けるように推奨されていますので,少なくともCC BY-NC-SAの制約までとし,NDの適用は見送っております.(著者の手引き第4章Column 3「Electrochemistryに投稿される論文に附与できるCreative Commons Licenseの種類」参照)[back]

2-2. 電気化学について

Q2-2-1. 電気化学会の刊行物に寄稿する際に編集委員会から「著作権譲渡承諾書」の提出を求められました.この書類を提出する意味を教えて下さい.

A2-2-1. 著作物の著作権は本来その著者が保有しています.一方,学術誌に掲載された内容は,学術の普及や発展に資することが期待されるため,掲載された記事の一部を他の出版物に利用する二次利用(複写・転載等)がよく行われます.その利用においては,利用者は著者から利用の「許諾」を得て,金銭的な「補償」を行う必要があります.しかしながら,著者に許諾手続を直接取ることは著者の居所や連絡方法が明確でないことが多く,手続が困難・不可能であることが頻発します.そのため,著者の意志を尊重し,不適切な二次利用を防止することを目的として,本会は著者から「「電気化学」誌に関する著作権の合意事項に合意されたことを示す「著作権譲渡承諾書」を提出していただき,記事に関する著作権の譲渡とその管理の委任を受けています.
 著者が本会に著作権譲渡を行うと,Q2-2-10に記載された事項を除き,著者が行使できるすべての権利が譲渡されます.そのため,その著作物の一部または全部の複写や転載,他の著作物への掲載等,本来,著者が行使できる行為のほとんどが本会との合意事項において決められた範囲に限定されることにご注意下さい.[back]

Q2-2-2. 読み物記事でお世話になった恩師(故人)や同僚と映った写真を原稿に掲載したいと思っていますが,その取り扱いについて教えて下さい.

A2-2-2. 本会では原稿に人物が映っている写真を使用されている場合,写真に映っている方の肖像権を尊重するため,映っている方に許諾を得ていただくようお願いしています.ただし肖像権は人格権であるため,我が国では故人がその権利は有していないと解釈されており,一般には保護の対象ではありません.そのため,例えば本会の会員であった故人の写真を用いる場合,その故人に対する敬意や顕彰の意図が含まれており,写真を掲載する合理性があると判断されるものについては,ご遺族への意志確認がない場合でも著者の判断を尊重して掲載をさせていただくことがあります.もちろん,ご遺族に適切に使用されることを説明し,ご理解していただいた上で,写真をご提供戴くことが望ましいことは言うまでもありません.

【補足】本件は著作権に関わるものではなく,一般に「肖像権」として取り扱われるものです.我が国においては肖像権を明確に規定した法令はありませんが,一般に人格権として何人にも認められる(保護されうる)権利とされています.本会では出版物に掲載される記事に個人が特定される様式で写真を掲載する場合は本会プライバシーポリシーに基づき,上記のように対応している一方,映り込みを伴う写真や集合写真等に映っている方に連絡が取れない場合も,その写真の目的と撮影時の状況によっては使用に差し支えないと判断される場合もあります.いずれにしても写真の提供においては,明らかに掲載に相応しくないものを除き,著者の意志を尊重させていただきますので,肖像権上のトラブルを忌避されたい場合は,ぼかしを入れる等,著者の責任において適切な手続を行っていただくことを推奨します.特に,外国に居住されている方については適用される肖像権の取り扱いが各地域で取り扱いが異なるため,掲載されることを事前に知らせ,許諾を得ていただくようお願いいたします.但し,著者と写真に映っている方との関係を尊重するため原稿提出段階で書面による確認を求めることはありません.
 なお,これらの写真の掲載にあたっての合理性を判断する方法として,本会では2021年にデジタルアーカイブ学会法制度部会肖像権プロジェクトチームにより策定された「肖像権ガイドライン」を活用しています.このガイドラインにあるフローチャート(リンク先:p.3-6・ポイント計算を含む)により,本人からの許諾が直接得られない場合も含め,一般的な合理性を判断できます.過去の判例との整合性も確認されていますので,参考にして下さい.[back]

Q2-2-3. 依頼原稿の中に他誌の論文の図を使用したいと思います.この場合の手続としては何をすればよいでしょうか?

A2-2-3. 文章にせよ,図表にせよ,他の著作物(論文だけでなく,書籍,HP, 動画サイト等,個人・団体にかかわらず著作権者が示されているもの全てを含みます)を全部または一部をそのままあるいは改変して使用し,その紹介や自らの主張を補強するために使用する場合はすべて転載となります.その掲載されている著作物・作品の著作権者に問い合わせの上,それぞれの権利者に対して転載許諾手続をお取り下さい.一般的には,原稿執筆の段階までに許諾をとることが必要ですので,ご面倒をお掛けしますが,早めに許諾申請をおとりいただくようお願いいたします.製版に至るプロセスの如何なる段階であっても転載されたものがあることがわかった時点で改めて手続をおとりいただくことになります.故意か不作為かに関わらず,無断で使用し著作権者の権利を侵害したことが認定された場合,著者や本会への補償・賠償責任が発生する可能性がありますので,ご理解の程お願いいたします.
 なお,転載においてその著作物が有償により許可された場合,その支払は著者の責任においてお支払いいただき,手続を完了して下さい.この場合の補償額は,特段の理由がないかぎり,原則,著者にご負担いただきます.なお,転載元の記事や転載物の利用許諾が取れなかった場合,あるいは許諾方法が不明な場合は転載をお控えいただきますようお願いいたします.[back]

Q2-2-4. ある論文の図を転載しようとしたら,その図自体が元の文献の図を転載したものでした.この場合,転載許諾申請は誰に取ればよいでしょうか?

A2-2-4. 使用したい図表がいったん転載されたものであることがわかった場合は,転載元の著作物に当たり,それを原典として下さい.転載許可申請はその著作物を対象におとりいただいた上で,原典表示を行えば結構です.ただし,二次利用された論文の図が転載元の図に改変を加えられたものであり,その改変の意図を含めて転載する場合は,必要に応じて現著作者と直接転載の対象となる二次利用した論文の両方を許諾をおとり下さい.[back]

Q2-2-5. Webサイトの図を転載したいですが,そのサイトの作成者が匿名でわかりません.転載許諾はどのようにとればよいでしょうか?あるいは取らなくてもよいでしょうか?

A2-2-5. インターネット上の匿名の文章であってもその匿名の著者に著作権が帰属され,補償が必要となった判例があります(平成13年(ワ)第22066号著作権侵害差止等請求事件).このように,一時的に著作権者がわからないインターネット上の著作物であっても,著者がその権利を主張した場合には,係争になる可能性があります.従って,匿名であるHP作成者が著作権者と推定される場合でも二次利用の許諾が必要です.連絡が取れなければ,使用を控える判断が必要となる可能性が高いと思われます.さらに,そのサイトで使われている図も作者が正規に利用許諾をとっているか不明なこともあるため,その図を使用する必要性を改めてご確認下さい.なお,連絡先メールアドレスがあり,許諾が取れる場合でも,情報の信頼性も十分考慮し,著者の御判断で使用して下さい.なお本会は許諾の取得に関する支援はできませんので悪しからず御了承下さい.[back]

Q2-2-6. 著作権の譲渡にあたって電気化学会から補償は得られるでしょうか?

A2-2-6. 電気化学会の刊行物の記事はさまざまな企画に基づいて依頼されており,その補償については一律ではありません.『電気化学』において刊行当初からJ-STAGEで公開され,フリーでアクセスできる記事については,会員間の相互の情報提供と位置づけられ,無償譲渡としております.一方,刊行後1年間会員限定公開となる特集記事,測定法記事については,著者の専門性に基づき著述されたものであるため,その知的財産の所有権を譲渡していただくものとして,謝金(執筆料)として補償されることがあります(合意事項 第3条).なお,大会講演要旨については参加者相互の情報提供の場である大会の開催趣旨から無償による譲渡とされています.[back]

Q2-2-7. 著者の権利として著作権の譲渡をお断りしたいのですが./著作権を戻してもらえますか?

A2-2-7. 電気化学会の刊行物は本会の公益性に基づく事業目的の一環として編集されており,その意図に同意される学会員によって支えられています.そのため,著者に対してはその目的にご賛同いただける方に記事の依頼をさせていただいています.その目的のため,学会が刊行後の著作物の二次利用や第3者への許諾を一括して行っています.その手続をスムーズに行うためにも,著作権の譲渡にご協力をいただいています.譲渡いただけない場合は,依頼は取下げさせていただきます.また,一度譲渡していただいた記事の著作権の返却はいかなる理由があっても行いませんので,御了承下さい.[back]

Q2-2-8. 『電気化学』の特集記事の著者校正後,印刷所から掲載決定の連絡が来ました.実際に掲載されるまでに注意すべきことはありますか?

A2-2-8. 掲載後1年間,認証付きの記事としてJ-STAGEに掲載される特集記事,測定法記事については掲載誌の予告が前号に掲載されることから,掲載予定であること自体は秘匿する必要はありませんので,周囲の方に掲載の予定である旨を伝えても結構です.ただし,著作権には出版権・放送権(インターネットでの公開)も含まれており,著作権譲渡後は本会が独占的に出版期日を管理していることから,公開日に先だって著者から著者校正ゲラや掲載版を配布したり,原稿を機関リポジトリに登録したりすることはできません.これは他の原稿についても同様ですので,ご注意下さい.[back]

Q2-2-9. 『電気化学』に掲載された記事を知人等に寄贈したいと思います.印刷所から入手したPDFファイルの送付は可能でしょうか?その際,補償は必要でしょうか?

A2-2-9. 『電気化学』に掲載された記事の複写物またはPDFファイルの著者からの寄贈は下記の範囲内で行っていただけます(Q3-4,Fig.2参照).

なお,寄贈は著者(または共著者)から直接行っていただく必要があります.一度他者に寄贈された複写物,PDFからの再配布は相手の所属にかかわらず,Q3-3に従い補償の対象になります.[back]

Q2-2-10. 『電気化学』の記事の執筆で著作権を譲渡した論文・記事を利用する際に注意すべきことはどのようなことでしょうか?コピーや転載等の二次利用はできますか?

A2-2-10. 『電気化学』に掲載された記事の二次利用については,第3者に許諾される内容と同じであるとお考え下さい.J-STAGEからのダウンロードや個人の利用における複写などは可能ですが(Q1-2参照),記事を複写し頒布することや,一部の図を転載して他の書籍や論文に利用する場合は,許諾が必要な場合があります.
 特に掲載後1年以内の場合は著者であっても転載利用において補償をお願いすることがあります.1年以上経過したものの二次利用については著者が本会会員の場合,ほとんどのケースで補償は不要であり,転載許可申請書の提出も免除されます.一方,非会員の場合は転載許可申請を行い,補償をお願いすることがあります.転載許可については転載に関する許諾・補償手続から申請して下さい.
 なお,著者は掲載後,J-STAGE上の非公開期間にかかわらず直ちに所属機関の機関リポジトリにその記事を掲載することができます.(Q2-4-1参照)[back]

Q2-2-11. 『電気化学』に掲載された記事と同じ内容の記事の執筆を他の出版社から依頼されました.この依頼は受けても良いでしょうか?

A2-2-11. 依頼を受けることはご遠慮下さい.該当記事の著作権を依頼元に譲渡する必要がある場合は,著作権の譲渡先が不明確になり,その権利帰属が曖昧になることからその出版の意図にかかわらず許諾できません.また,記事の一部の転載として許諾する場合であっても,補償は必要です.ただし,補償は著者からではなく,その著作物の出版を行う出版者から補償いただくことになります.また,その典拠を記載し,著作権に基づく権利を本会に維持していただくことを確認させていただきます.従って全文転載は事実上困難であると考えていただく必要があります.もし,無断で他誌に掲載されたことが発覚した場合は,出版をおこなった出版社に定められた補償を請求することがありますので,ご注意下さい.[back]

Q2-2-12. 他学会から電気化学誌に執筆した特集記事に関するセミナー講師の依頼を受けました.『電気化学』の記事を参加者に配布したいのですが,何か手続は必要でしょうか?参加者には電気化学会員が含まれていると聞いています.

A2-2-12. 他学会・企業が企画するセミナーなどで『電気化学』の特集記事等,本会が著作権を保有する記事を配布する場合,その記事の著者か否かにかかわらず,学術著作権協会(JAC)への補償料の支払いが必要です.なお,参加者数については電気化学会員(法人会員の所属の個人・学生会員を含む.専門委員会等のみの所属は除く)が含まれている場合はその数を減らしても結構です.なお,参加者全員が電気化学会員である場合は補償の必要はありません.なお,掲載後1年が経過し,J-STAGE上にフリー公開されている記事を配布する場合でも複写物を直接配布するには補償手続が必要ですので,記事のDOIを告知し,参加者にダウンロードしていただくようご指示いただくことをお薦めします.[back]

Q2-2-13. 『電気化学』に特集記事を執筆したのですが,二次出版(翻訳した同一内容からなる論文の投稿)が可能であることをききました.この場合,補償は必要でしょうか?

A2-2-13. 『電気化学』の記事の執筆時に提出していただく著作権譲渡承諾書においては,著作権法第61条の2にある第27条(翻訳権・翻案権)第28条(二次的著作物の利用に関する原著作者の権利)に関して特掲しておらず,これらの権利は著者に保留されているものと解釈されます.そのためQ2-2-9の場合と異なり,英語を含む他言語への翻訳は著者の意志で可能であり,二次出版のガイドラインを定めて,編集部への届け出があれば元の記事と同一の内容により英文等の翻訳論文として投稿・出版することを認めています.当然,本会への補償料の支払いは必要なく,また,オープンアクセス誌など著作権を著者に帰属させることも可能です.但し,二次出版が可能かどうかは投稿先の規程に基づきますので,執筆先の編集担当者にお尋ね下さい.
 なお,本会『Electrochemistry』への投稿は,電気化学誌に掲載した記事の二次出版と見なし,総合論文(Comprehensive Paper)またはReviewとして投稿することを認めておりますので,ご活用下さい.[back]

Q2-2-14. 非会員です.『電気化学』に寄稿したことがあるのですが,執筆した記事のコピーやPDFを送付していただくことはできますか?

A2-2-14. 『電気化学』への寄稿をいただきありがとうございます.寄稿いただいた方には校正後のPDFと掲載された冊子を送付しています.但し別刷は発行しておりません.それ以降の再交付は行わず,非会員と同様の取り扱いになります.紛失の際には事務局にお問い合わせいただければ,資料の確保が可能な限り対応させていただきますが,永続的な対応は保証しかねますので,大切に保管して下さい.なお,J-STAGEでは発行1年後以降は全ての記事を公開しています.[back]

2-3. 大会講演要旨

Q2-3-1. 発表者が講演等において,大会要旨を映写または配布することにより研究内容を紹介する場合,どのような配慮が必要でしょうか?

A2-3-1.発表者等は学会に著作権を譲渡しなければなりませんが,一定の利用の権利を維持しているものと考えられます.例えば,要旨に記載された発表内容を含む論文の執筆や既発表であることを前提に講演し,映写または配布すること,また,特許法第30条第2項に係る発明の新規性喪失の例外規定の適用を受け,要旨に記載された内容に関わる特許等知的財産権の関わる権利を受けることなどは当然に許諾されます(大会講演要旨集合意事項 第3条(1)).[back]

Q2-3-2. 所属する機関(大学・研究機関・企業等)において,学会発表内容をプレスリリースし,インターネット上で公開する場合にどのような配慮が必要でしょうか?

A2-3-2. プレスリリースや記者会見等において,その場で映写・配布により要旨を公開することは可能としますが,要旨の全部をそのまま放送(インターネット配信等を含む)や各種メディア上に永続的に成果を公表することは補償の対象となります(大会講演要旨集合意事項 第3条(2)).また,その情報を得た第3者がプレスリリースで入手した要旨を再配布したり,報道等で公表したりする場合などの利用は,通常の補償の対象となります( 第3条(4)).但し,大会講演要旨については,機関リポジトリの掲載においても開催後1年間のエンバーゴ(掲載禁止期間)が設定されます( 第5条).[back]

Q2-3-3. 大会の講演のプレゼンテーション資料の著作権は譲渡対象でしょうか?また,プレゼンテーション資料において電気化学会出版物を示す場合の注意はありますか?

A2-3-3. 大会の講演において発表者が使用するプレゼンテーション資料の著作権譲渡は求めません.また,大会や他学会を含むすべての会合でのプレゼンテーション資料に電気化学会出版物を含む場合は転載となりますが,この利用においては補償を求めません.但し,それ以外の資料を転載する場合はそれぞれの著作権者が定める転載規程に従って下さい.特に新聞記事の転載については新聞社の許諾が必要ですので,適切に手続を行っていただくようお願いします.詳しくは「講演要旨・発表資料の著作権に関するFAQ」をご覧下さい.[back]

Q2-3-4. 講演要旨に記載した学会発表の内容をもとに論文を投稿する場合,その新規性は保証されますか?

A2-3-4. 発表者が講演要旨を提出し,本会に著作権を譲渡したことを根拠に,その時点で本会が学術上の新規性の喪失を主張することはありません.従って,発表者が論文誌に投稿する際に,本会は新規性に関するいかなる嫌疑をかけることはありませんので,ご自由に投稿していただけます.但し,プレプリントやリポジトリの普及により,学術上の新規性の定義が曖昧になっており,新規性の担保のため,学会発表を行った場合に先行発表として申告しなければならないことが増えています.論文誌によっては,先行発表を記載することが義務づけられていることもありますので,ご確認下さい.なお,『Electrochemistry』では,本会および本会が関係する団体が主催する学会で発表されたものについては,その事実を投稿原稿の表紙の脚注に記載することにより学術上の新規性を喪失せず,投稿することを認めています.(著者の手引き 4.1 論文に関する著作権の合意事項3.著作権に関する著者の遵守事項 (2)」参照)[back]

2-4. その他(機関リポジトリ等)

Q2-4-1.電気化学会に出版された論文・記事・講演要旨を発表者等の著作物として機関リポジトリに登録することは可能でしょうか?

A2-4-1.本会では発表者の権利保持のため所属する機関のリポジトリへの登録を可とします.ただし,掲載誌によって使用できる版・エンバーゴ期間が異なりますので,詳しくは電気化学会発行誌の著作権に関する対応表をご覧下さい.[back]

Q2-4-2. エンバーゴとはなんでしょうか?

A2-4-2. 有益な情報を広く公開する前に特定の対象にメリットを享受させる目的で限定して開示する場合,その期間のことをエンバーゴ(embargo)と呼ばれています.学術出版においては読者にオンラインの論文全文の閲覧を一時的に制限することや著作者に機関リポジトリでの公表の差し止めを課すことは良く行われており,このことをエンバーゴと呼びます.本会の出版物においては以下のように設定を行っています.

大会講演要旨集については学会の出版物ではありますが,その出版費用は参加登録者の登録費が原資であり,不特定多数の第3者が参照できる機関リポジトリに公表することについては制限を設けることが一定の配慮として必要です.そのため,著作権は本会が保持し,発表から公開できるまでの猶予期間(エンバーゴ)を発表した大会開催日初日から起算して1年とします(大会講演要旨集合意事項第5条). [back]

Q2-4-3. 発表者が所属する団体には機関リポジトリがありません.インターネット上で公開する方法はないでしょうか?

A2-4-3. 本会が永続的に公開する手段として認めている媒体は機関リポジトリのみとしています.従って,無償で公開することを可能にする手段は今のところなく,公開には転載に関する補償が必要となります.[back]

Q2-4-4. 著作権が電気化学会に譲渡された記事(過去の「電気化学および工業物理化学」など)の執筆者です.この記事をコピーして,第3者に渡してもよいでしょうか?

A2-4-4. 『Electrochemistry』およびその前誌においては,一般的な著者の著作物の寄贈行為を「非独占的権利」として永続的に著者に附与しています.従って,著者はその目的によらず,コピーを他者に渡しても構いません.一方,『電気化学』については,最終版およびそのPDFファイルの再配布は本会の独占的権利として譲渡を受けており,著者寄贈についてはQ2-2-6に記載の範囲で認めています.その範囲を超える再配布(複写)の場合は著者であってもJACへの申請による補償の対象となります.なお,前誌を含めた学会誌において著者が記名された記事はPDF化されており,J-STAGEに載録後,DOIが附与され公開されています.読者の利便性のため,お渡しする予定の方に該当する記事のDOIをご紹介いただき,ダウンロードしていただくよう依頼していただければ結構です.[back]

Q2-4-5. 研究報告書・人事に関係する業績調書等の提出物に電気化学会に出版した論文・記事や講演要旨のコピーを添付するように求められています.この場合,無償で再配布あるいは転載することは可能でしょうか?

A2-4-5. これらはいずれも成果の実態を示すエビデンス資料として利用する書類目的で提出が求められていると考えられます.したがって公衆に対して非公開かつ提出の目的以外の使用が行われない限り,補償の必要はありません.なお,研究報告書の公開部分に論文等の内容の引用や転載を行う場合は,転載許可申請や補償は求めませんが,その原典を示すようお願いいたします.[back]

Q2-4-6. 著作権が電気化学会に譲渡された著作物について,その内容に関する否定的な記事が公表され,関係者に不利益が生じてしまいました.その不利益に対して,著者とともに補償していただきたいのですが.

A2-4-6. 著者からの著作物の権利譲渡はその出版・放映・公衆送信に関わるものに限定され,内容の学術的主張に対して,学会がその真偽を主張したり,保証したりするものではありません.また,本会は学術的主張とそれに対する正当な主張による批判に対して本質的な議論を尊重する立場から,その議論に対する対応については誠意をもって行いますが,相互の主張に基づく利害係争が生じる場合は,その責を負いません.[back]

Q2-4-7. 著作権の譲渡に関する取り決めが明確ではなかったと思われる古い論文・講演要旨等の著作権上の取り扱いについて教えてください.

A2-4-7. 本会は1933年に創立した歴史を有するため,必ずしも著作権に関する法令の整備が不十分かつ認識が十分でなかった頃から様々な出版物を刊行してきました.本会は論文誌について,冊子体は1972年に,電子媒体は2013年に,また大会講演要旨集は2015年に,それぞれ著者から著作権の譲渡に関する同意を得ることを明示してきました.また,2004年,創立70周年記念事業による本会発行誌のインターネット公開,加えて2023年,創立90周年記念事業による本会『大会講演要旨集』のインターネット公開をそれぞれ行う前に,該当する出版物についてはインターネット公開に必要な公衆送信権を含む著作権を本会に譲渡されたものとみなすための公示をおこなっています.この公示によりみなし譲渡を受ける目的は本会が掲載された記事等を電子利用することが目的であり、著者自身による論文の利用を妨げるものではありません。過去に要旨にふくまれる図表等を他の発行物で転載されていた場合においては,譲渡前の著作権者本人による二次利用であることから改めて転載許諾をお取りする必要はありません.またこの著作権のみなし譲渡はオプトアウト方式とさせていただいています.そのためこの処置に異議のある著者(複数の著者による場合はその一部)は本会が行う電子公開の対象から除外する権利を有します.異議申し立てがあった場合,本会はその趣旨に従い速やかに対応いたします.なお,1967年以前に出版され,著作権の譲渡を受けた記事は2018年の著作権法改正以前にその著作権が失効されていることから,自由に使用することができるものと見なしています.[back]


3. 複写・複製・再配布


Q3-1. 電気化学会が発行した論文や記事について,自由にコピーしてもよいでしょうか?補償手続が必要なのはどのようなときでしょうか?

Figure 1 電気化学出版物の複写・再配布における主な補償のあり方.図中の「法」は著作権法2022年6月17日施行(令和4年法律第68号による改正)に基づく.

A3-1. 本会の出版物については必要に応じて複写(コピー)や電子ファイル(PDF)を複製していただいて結構ですが,一般の出版物の複写と同様,私的または業務上における本人個人の利用を除いて複写に関する補償手続をお取り下さい.但し,下記のケースは補償手続は不要です.

また,この項目で記載した主要なケースに関する内容をFig.1に示しましたので,ご参照下さい.[back]

Q3-2. 複写の際の補償費をJAC複製利用許諾システムを通して支払う手続が煩雑です.電気化学会に直接支払う方法はありますか?

A3-2. JACの基準に準拠した下記の計算式
補償料(税込)=「10円/頁・枚」×「配布する記事のページ数」×「参加者数」
に基づく補償料を計算し,複写補償支払票を記入し,事務局(著作権担当)に送付の上,本会に振り込んでいただいても結構です.なお,Q3-1に該当する場合は補償は不要ですので,ご確認下さい.
【様式】複写補償支払票 (Word) (PDF)
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Q3-3. 自分が持っている著作物を友人,知人,同僚等の求めに応じて複写して渡したり,譲ったりしてもよいでしょうか?

A3-3. 構いません.ただし,基本的にはCreative Commonsで定められた複写・再配布が認められている記事を除き,すべて著作権処理機関を通じて本会への補償の対象となると考えて下さい.本会は学術著作権協会(JAC)に著作権に関する処理を委託しており,利用者からの申告に基づき本会著作物の複写に関する補償金の支払を受け付けています.手続方法についてはJAC複製利用許諾システムのウェブサイトをご覧下さい.一方,著作権の適用除外となる方法(図書館での複写・J-STAGEからの1部のみのダウンロード・授業での配布等)により入手したものを自分の所有権を放棄する形で完全に他者に譲る場合は対応が異なり,譲渡可能です(Q4-6参照).
 なお,電気化学会の出版物の内,国立国会図書館に寄贈した図書,J-STAGEでダウンロードできる記事等,一般に図書館等で供されているものについては何人も無料で入手できます.従って,コピーを直接渡すのではなく,国会図書館のデジタルコレクションやJ-STAGEのサイトをご案内し,そのURLや記事のDOI(記事毎に決められているデジタルオブジェクト識別子)を伝えて,利用者ご自身でダウンロードするように依頼していただくことが最善の方法です.これらのサイトにおいては技術的には複写・ダウンロードを無制限にできますが,全ての記事をダウンロードしたり,過度にコピーしたりすることは著作権上においては不当に著作権者の権利を侵害するものとして,禁じられていますのでご注意下さい(Q3-11参照).

Q3-4. (特別)法人会員の連絡担当者でJ-STAGEのID,パスワードを管理しています.電気化学の認証付き記事の配布に関する注意点を教えて下さい.

Figure 2 同一団体内の『電気化学』等記事の再配布.団体内の記事の再配布においては,著者(会員・非会員を問わない)から同一法人内への再配布,法人会員・特別法人会員内の連絡担当者から同一法人内への再配布は複写,PDFファイルに寄らず補償を要しない.一度再配布されたものを再配布する場合は如何なる場合は学術著作権協会(JAC)を通して補償が必要.

A3-4. 法人会員・特別法人会員には希望があれば,会員特典として『電気化学』の認証付き記事をダウンロードするためのID,パスワードをお知らせしています.そのID,パスワードを社員と共有することはセキュリティ上,ご遠慮下さい.なおFig. 2に複写・再配布自の補償手続について,認証が必要な『電気化学』の記事の再配布の取り扱いを例に掲載しましたのでご覧下さい.
法人内配布の都合から,法人会員の管理者が持つIDによりダウンロードしたファイルはJ-STAGEから直接ダウンロードされたものと見なします.従って,同一法人内から複写・PDFファイルの送付の希望があった場合は,制限なく再配布していただいても差し支えありません.ただし,管理者以外の方が一度再配布されたファイルを再配布する場合は,通常の取り扱いと同様,補償が必要です.
 一方,個人会員として入会している社員がそのID,パスワードをダウンロードしたファイルは個人として使用するものとみなされます.再配布の場合は,Q3-3と同様,複写の補償の支払を行って下さい.[back]

Q3-5. 記事のコピーを社内の研修やセミナーでコピーを配布したいのですが.

A3-5. 団体内外にかかわらず記事のコピーを他者に配布する複写することは原則有償です.正当な授受であっても,授受を行う者のいずれかからJACに申請する必要があります.但し,Q3-1に示すように,オープンアクセス論文の複写,(公社)日本複写権センター(JRRC)包括複写許諾契約を締結されている企業に所属する社員が社内に限った利用目的で複写する場合は,申請は必要ありません.[back]

Q3-6. 同じデジタルファイルであるのに,J-STAGEからのダウンロードは無償で,他者への再配布は有償になるという理由がよくわかりません.

A3-6. データを他者に送信することは「原版から複製したPDFを再配布を目的として通信回線を利用して送信する行為」となります.著作権法においては複製権(第21条),通信をつかっての送信は公衆送信権(第23条)により,いずれも著作権者が権利を専有していることを定めているため,利用者は著作権者に補償を行う必要があります.つまり有償です.一方,公共の利益に資するための図書館の蔵書の複製は著作権法第31条によりその目的や数量を限定して無償での複製を認めています.J-STAGEは「国立国会図書館法によるインターネット資料の記録に関する規程」により「長期間にわたり継続して公衆に利用可能とすることを目的としているもの」と考えられ,国立国会図書館への納入は免じられていることから,本来国立国会図書館が行うべき資料の提供を代替しているシステムと言えます.さらにJ-STAGEの目的である「日本発の科学技術情報の迅速な流通」からJ-STAGEでの認証のない記事については無償でダウンロードできると解釈されます.
 このように複写を行う法的な根拠が異なるため,補償の要否は異なります.デジタルデータでの送信は内容が劣化しないため,事実上同じものが送信されることになりますが,本会は著作権の意義を尊重し,他者に直接ファイルを送信するのではなく,DOIを示すことによりオリジナルのファイルをダウンロードすることができるWebサイトを連絡することを推奨しています.[back]

Q3-7. 他学会が主催するセミナーの講師の依頼を受けました.『電気化学』の記事を参加者に配布したいのですが,何か手続は必要でしょうか?参加者には電気化学会員が含まれていると聞いています.

A3-7. 依頼された方が配布資料の著者か否か,あるいは配布先が電気化学会員か否かにかかわらず,補償手続が必要です.詳しくはQ2-2-9をご覧下さい.[back]

Q3-8. Creative CommonsでCC BY,CC BY-NC-SA等が表示されている記事についてはコピーを渡してもよいでしょうか?

A3-8. 記事の著者が著作権を有する著作物(『Electrochemistry』のオープンアクセス論文.本会に著作権を譲渡した記事は異なります.)でCreative Commonsのライセンスを得ている記事は誰でも再配布することが認められています.[back]

Q3-9. 著作権が電気化学会に譲渡された記事(『電気化学』や過去の『電気化学および工業物理化学』など)の執筆者です.この記事をコピーして,第3者に渡してもよいでしょうか?

A3-9. 本会論文誌『Electrochemistry』およびその前誌に掲載された論文の著者に対して,本会との合意事項として一般的な著者寄贈による行為に基づく権利を永続的に附与しています.従って,著者はその目的によらず,コピーを他者に渡しても構いません.一方,『電気化学』については,Q2-2-1に示すように,最終版およびそのPDFファイルの再配布は本会の独占的権利として譲渡を受けており,著者であっても「4.大学等での正規な授業での電気化学会の著作物の利用」に示す一部の例外を除き再配布の場合はJACへの申請による補償の対象となります.
 前誌を含めた学会誌において著者が記名された記事はPDF化されておりJ-STAGEに載録後,DOIが附与され公開されています.読者の利便性のため,お渡しする予定の方に該当する記事のDOIをご紹介いただき,J-STAGEからダウンロードしていただくよう依頼して下さって結構です.但し, 『電気化学』についてはQ1-3に示すように発刊1年以内の非公開記事を非会員がダウンロードすることはできませんので,ご了承下さい. [back]

Q3-10. 電気化学会が編纂し,出版社から発行されている書籍(電気化学便覧等)の複写についてはどのような手続が必要でしょうか?

A3-10. 電気化学会が編集した書籍等であっても,補償手続が必要です.JAC複製利用許諾システムをご利用下さい.但し,国立国会図書館や大学図書館等からの複写については著作権法第31条で定められた範囲での利用であれば,補償は不要です.なお,何れの書籍についても電気化学会事務局においては複写等の取り扱いできません.御了承下さい.[back]

Q3-11. 会員は論文や記事のダウンロードは無料と聞きました.毎月記事を集約してファイリングし,研究室で研究員や学生に閲覧させたいのですが,許可は必要でしょうか?

A3-11. J-STAGEでの記事載録の趣旨を鑑み,全てのデータをダウンロードする(クローリングを含む)行為はお控え下さい.また,営利・非営利にかかわらず,全記事を集約して,私的に非会員を含む学生への閲覧に提供したり,配布したりすることも本会が独占的に保有する出版権を侵害することになりますので,ご遠慮下さい.J-STAGEは科学技術に関する論文誌の電子情報を収録した著作権法31条の「図書館等」に該当しており,国立国会図書館が有するべき機能の一部をJSTが担っています.従って,その利用は国会図書館等の利用に準拠します.同31条の3では,図書館における論文の自動公衆送信(ダウンロード)において利用者が許容される複製物の入手の範囲を「利用者の求めに応じ,その調査研究の用に供するために,自動公衆送信される当該著作物の一部分の複製物を作成し,当該複製物を一人につき一部提供することができる」と定めています.つまり,各号の目次のリンクから全ての記事をダウンロードすることは書籍の全てのページを複写し,複製物を作成することに相当し,適切な複写行為とは見なされません.また,同一人物が必要以上に複数以上のコピーを得ることも認められていません.[back]

Q3-12. 電気化学会の専門委員会の発行物(例:電池討論会要旨集)を社内で配布するために複写したいのですが,手続はどのようにで行えばよいでしょうか?

A3-12. 本会の支部・専門委員会・技術懇談会から出版された発行物の著作権者は,多様であり,過去の発行物を含めると,著作権者が明確ではないものも含まれます.その場合でも,JAC複製利用許諾システムにおいて手続を行って下さい.もし委託出版物としてJACに登録されていない出版物の場合は,本会事務局(著作権担当)にお問い合わせ下さい.適切に関係者に連絡し,協議の上,補償方法を確認します.[back]


4. 大学等での正規な授業での利用


Q4-1. 授業における著作物の利用について一般的なルールを教えて下さい.

A4-1. 授業における著作物の利用は,その利用形態により関連する条文(著作権法第35条)に定められています.詳しくは(一社)授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS)のHPに掲載されている「改正著作権法第35条運用指針」をご覧下さい.[back]

Q4-2. 授業で電気化学会の刊行物の記事を学生に配布したいと考えています.この場合,どのような手続が必要か教えて下さい.

A4-2. 本会では,電気化学の普及を目的とした本会の公益性の確保と手続の簡略化とを考慮し,全ての利用において,教員が手続を意識することなく自由に利用していただけるように対応していますので,対面・オンラインなどの授業形態にかかわらず,ご自由にご利用下さい.なおオンデマンド形式の授業での使用はSARTRASとの契約教育機関においてはその契約に基づき補償されます.ただし,コピーは正規の授業に使用する場合に限られ,その部数は「履修者数」に限定されています.また,書籍を全てコピーして配布するなど,「不当に著作権者の権利を侵害する行為」は当然みとめられません.さらに,学外生を対象とするオープンキャンパスなどには著作権の適用除外はできませんので,ご注意下さい(Q4-9参照).[back]

Q4-3. 授業を動画配信するオンデマンド授業で使用する授業支援サーバに,「電気化学」誌の記事をアップロードして,授業前に学生にダウンロードさせることは可能でしょうか?

A4-3. オンデマンド講義に限らず,授業の資料をネットワーク上にアップロードする場合は,論文の記事のDOIを記載し,J-STAGEからダウンロードするように掲示して下さい(個人としてダウンロードをして入手することは何人でも認められています).ただし,電気化学の一部の記事のようにダウンロードにおいて会員資格を要する場合は,正規の手段で記事を入手し,履修者のみが授業期間中(原則,初回講義から期末試験まで)のみダウンロードできる場所に掲載して下さい.授業期間を越えて永続的にダウンロードできる場所にアップロードすることはできません.また,履修者以外の学生にも公開してはなりません.[back]

Q4-4. 授業資料の利用に関するガイドライン(改正著作権法第35条運用指針)では約50名を越える履修者が参加する授業で資料を配布することは,「著作権者の利益を不当に害することとなる」として,補償費の支払が求められると記載されています.電気化学会の出版物の論文や記事も同様の適用を受けますか?また,大教室での講義など,多数の学生が受講する授業で,論文の一部を映写して説明することは可能でしょうか?

A4-4. 本件について,本会はガイドラインの適用により補償が必要なケースであることを確認しております.しかしながら,本会としては,電気化学の普及と公益性を考慮し,このような事例での利用についても補償を求めることなく利用していただいています(第60回理事会・2021年7月20日承認).従って,50名以上で行われる授業においても配布は認められます.なお,画面をプロジェクターなどでスクリーンや遠隔講義のPC等で映写する行為は複写ではなく,著作権上の「放映・公衆送信」にあたる「転載」になります.これらの行為については,授業において不可欠な行為であるため,著作権の適用外となっており,無届けで使用が認められます.[back]

Q4-5. 研究室の学生を対象とするゼミ・雑誌会や輪講・輪読などにおいて,雑誌を紹介する場合はどのようにすればよいでしょうか?

A4-5. 資料を必要とする研究室での利用が研究指導として正規の授業に含まれる授業の一環であれば,著作権の適用除外となり,無償で配布できます.ただし,学生の身分であっても特定の研究資金の下で特別研究員として行う研究活動や,課外の活動中(インターンシップ等)を通して論文講読をしたりする場合は,授業での利用にはなりません.また,ポスドク研究員や共同研究先の職員等,業務上,教育とは関係しない参加者はこの適用除外の対象とはなりませんので,各自でダウンロードするか複写に関する補償手続をお取り下さい.[back]

Q4-6. 大学で受けた授業の資料の中に電気化学会の論文が含まれていました.資料はいずれも授業の資料として入手したものです.自分ではもう必要なくなったので,これを同じ授業を受ける後輩に譲ってもよいでしょうか?

A4-6. 複製権の制限により作成された複製物(図書館等の複写・J-STAGEからのダウンロード・大学の授業で配布された資料等が当てはまります.)はそのままの状態で公衆に譲渡することができます(著作権法第47条の7).但し,複製物をそのまま譲ることは可能ですが,元の所有者の所有権は失われることに注意して下さい.例えばJ-STAGEからダウンロードしたPDFファイルをコピーして自身も保有したまま他者に渡すことは「複写を伴う譲渡」であり,単なる譲渡にはならず補償が必要ですので,自らが保有するPDFはすべて消去しなければなりません.なお,その他の譲渡の場合はQ3-3をご覧下さい.[back]

Q4-7. 研究打ち合わせを目的とした複写物の配布を大学等教育機関で行うことは,著作権の適用除外でしょうか?

A4-7. 大学における研究業務は授業での教育利用ではなく,複写に関する補償が必要です.JACへの申請が必要です.参加者にDOIを知らせることにより,各自でダウンロードすれば無償で使用可能ですので,この方法を推奨いたします.[back]

Q4-8. 学内の教育に関する教員間研修(いわゆるFD, SD)における資料の配付は著作権の適用除外でしょうか?

A4-8. 本目的の使用は授業ではないため,著作権の適用外とはならず補償対象となります.しかし,ガイドラインによれば,SARTRASの補償料を支払った教育機関であれば,大学の教職員が教育目的で行う研修における複写は届け出することなく利用可能です.前項(Q4-7)と異なり,主催者が個別にJACに申請する必要はありませんので,特にお知らせいたします.[back]

Q4-9. 高校の「出前講義」「体験講義」での講演を依頼されました.この場合,資料の中に電気化学会が著作権を有する資料を配付したり,プロジェクターで見せたりしてもよいでしょうか?また「大学説明会」「オープンキャンパス」での利用はどうでしょうか?

A4-9. 授業の聴講者である高校生の生徒にとって,その授業は正規の授業の一環であるかどうかが,著作権の適用の有無にかかわります.主催する高校にお問い合わせいただき,正規の授業の一環であれば,著作権上の適用除外として,無償で利用できます.一方,正規の授業ではない「大学説明会」,PTA,高校教員の研修会等の会合,大学での「オープンキャンパス」などでの資料として複写物を利用する場合は,補償の対象となり,受益者である大学あるいは高校からJACへの補償金の支払い,またはSARTRASへの委託手続が必要です.
 なお,ごく一部の文章の利用や図表の表示において「引用」として表記していただく場合は利用者の正当な権利となりますので,届け出なく使用できます(FAQ Q5-1-2).詳しくはの項目をご覧下さい.また本会会員が正当な手段により転載利用を行うことは『電気化学』『大会講演要旨集』の発行後1年以内の非公開記事を除き,許可されています.その場合,本会会員による利用については転載許可は不要です.[back]


5. 記事の転載・二次利用の手続


5-1. 一般的な事項

Q5-1-1. 転載許可申請を取る必要があるのはどのような場合でしょうか?

A5-1-1. 本会の出版物に関する転載許可の要否は「転載に関する許諾・補償手続」に記載されていますので,ご参照下さい.なお,会員限定で公開されている電気化学誌への記事については,著者であっても転載の補償が必要なケースがありますので,ご注意下さい.転載許可が必要かどうか不明な場合は,転載に関する補償料を「転載補償料算定フォーム」により算定して下さい.補償請求額が無料の場合,申告は必要ありません.原典を転載先に明記し,ご使用下さい.なお,Electrochemistry においてVol.88, No.3以降に掲載されている論文はCreative Commonsライセンスに基づく転載等の二次利用が自由にされるようにしています.また本会では会員の転載利用について,多くの出版誌について議論が広く発展することを期待し,過去に遡り会員による転載利用を自由におこなっていただけるように対応しています.「電気化学会員(法人会員所属の個人を含む)の方へ」をご参照の上,ご利用下さい.[back]

Q5-1-2. 転載と引用との違いを教えて下さい.

A5-1-2. 引用と転載との相違は多くの文献に掲載されていますが,基本的には,以下の通りです.引用とは著作権法第32条に定められた正当な行為であり,他者の著作物の記述を使用する分量を最小限に留め,公正な慣行に合致する限り,誰でも行える行為です.一方,転載は引用の範囲を超えて,既存の出版物などから文章や図表等を別の出版物に掲載することです.多くの場合,その違いは元の出版物の著作物の記述の主従関係においてどちらが主であるかによります.引用の場合,元の出版物が従であり,引用して使用する分量は必要最小限にとどめられなければなりません.一方転載は元の出版物が主であり,ある意図をもって記述され,その部分だけで意味をなす文章をすべて転記したり,図表の全ての部分を複製して自らの著作物に掲載したりすることは,転載に当てはまります.
例えば,5つある変化のうち1つだけをデータを取り出してプロットするなど,利用したデータが単独であり,それだけでは著作物としての権利が構成されていない場合は引用と言えますが,数点の変化を示し,元の出版物の中で意味のある変化を主張されているデータの集まりを使用する場合は転載と言えます.[back]

Q5-1-3. 転載の諾否はどのように解りますか?また転載に必要な補償料の計算方法を教えて下さい.

A5-1-3.「転載に関する許諾・補償手続」のページにある「補償料計算フォーム」により,計算して下さい.補償料が有料の場合はフォームから自動作成される請求書(INVOICE)の写しをお送りいただき,算定された金額を支払っていただければ直ちに利用可能です.算定の結果,請求が生じない場合は,申請をすることなく使用していただけます.なお,転載する数量が多い場合,フォームによる計算に基づき転載をお断りするケースがあります.その場合は,転載をご遠慮下さい.[back]

Q5-1-4. 論文執筆時に『Electrochemistry』の論文(CC BY)に掲載された図を転載利用したいのですが,その図は別の論文から転載された図でした.CC BYのライセンスが付与されているので,その図をそのまま転載して良いでしょうか?

A5-1-4. 転載しようとする図が元々掲載されていた原論文の著作権者から転載許諾をお取り下さい.『Electrochemistry』の論文自体が二次利用であり,その転載元の論文の著者は二次的著作物の利用に関する原著作者の権利を失っていないと考えておくべきです.また,参考文献としてリストする場合もその原著を記載することが必要と考えて下さい.[back]

Q5-1-5. 非会員です.他学会の発行誌から記事を依頼され,電気化学に掲載された記事の図を転載をしたいと考えています.この依頼の際,執筆料が支払われると聞いていますが,営利目的に当たるでしょうか.また,その場合の補償に関する手続を教えて下さい.

A5-1-5. 本会では非会員による転載の場合には原則として補償を求めています.補償料は「補償料計算フォーム(転載補償額明細書)」をご利用いただき,定められた請求額を本会にお支払い下さい.なお.ここでの営利目的とは,著者への支払の有無ではなく,転載された書物の販売,放映された映像の放映などで,販売元が利益を生じる場合のことを指します.著者が執筆料(謝金)を得る場合でも収益が資料作成における必要経費・対価性の高い労務に対する対価と見なしうる場合は,非営利として届け出ていただいて結構です.なお,出版社が成書を発行するなどの場合は,別途契約を締結する必要があるケースが多いため,その都度,相談させていただきますので,御了承下さい.[back]

Q5-1-6. 電気化学会の専門委員会の発行物(例:電池討論会要旨集)の一部を転載したいのですが,手続は何処で行えばよいでしょうか?

A5-1-6. 本会の支部・専門委員会・技術懇談会から出版された発行物の著作権者は,多様であり,過去の発行物を含めると,著作権者が明確ではないものも含まれます.その場合は本会事務局(著作権担当)に連絡・申請をして下さい.適切に関係者に連絡し,協議の上,補償方法を確認します.[back]

Q5-1-7. 非会員の学生との共著論文をその学生の博士論文の一部として転載することにする予定です.この場合の手続について教えて下さい.

A5-1-7. 博士論文を執筆する際には該当の論文のすべての共著者から博士論文に使用する(著作権上は転載する)ことに対して同意を得ていただく必要がありますが,本会に対しては学位論文の著者が自らが著者として掲載された論文に限り転載許諾を取ることなく使用することを認めていますので,その手続は不要です.博士論文は原著論文をもとに構成されていることが多く,電気化学会の発行物としては,Electrochemistryまたは大会講演要旨が対象となることがほとんどです.これらは何れも著者(発表者)が利用する限り,補償が不要なものですので,事実上手続は不要なケースが多いと思われます.また,学位審査に関わる公聴会等での自らの論文の図表の利用についても教育活動の一環とみなし,転載許可申請は不要とします.一方,他者の論文の図表を利用する場合は転載許可申請と補償が必要ですので,Q5-1-8をご覧下さい.[back]

Q5-1-8. 非会員である学生が学位審査のため,博士論文や公聴会の発表資料等で電気化学会出版物における他者の論文の図表を用いる予定です.この場合,研究指導の成果である発表として授業の一環と見なされるでしょうか?また,執筆した博士論文に転載する場合,転載許可申請は不要でしょうか?

A5-1-8. 大学院生が非会員である場合,原則として全ての転載許可申請が必要です.ただし,公聴会(プレゼンテーション)において使用する場合は研究指導(授業)の一環として取り扱うため,手続を取ることなく使用していただいて構いません.卒業研究,修士論文発表会なども同様に取り扱っても構いません.一方,博士論文は学位を取得しようとする個人の著書であり,授業の一環の成果物ではなく個人の創作物として取り扱われることが一般的であり,転載許可申請を行って下さい.非会員の場合はその時点で一括して転載許可手続を行っていただければ結構です.
 なお,課程を経ない者の博士論文審査(いわゆる論文博士)における発表資料の転載においては,授業の一環とはみなされません.転載を予定している博士論文,公聴会等,全ての資料において,非営利使用として転載許可申請が必要となります.[back]

Q5-1-9. 所属する大学の機関リポジトリの掲載は可能でしょうか?

A5-1-9. 現行の定期刊行物である「電気化学」「Electrochemistry」とも掲載は可能です.詳しくは「電気化学会出版物の転載に関する対応表」またはオープンアクセスリポジトリ推進協会のウェブサイトに掲載されている学協会の著作権ポリシーデータベースをご覧下さい.[back]

5-2. Electrochemistry掲載論文(オープンアクセス論文)の転載

Figure 3 Creative Commonsの種別と電気化学会の刊行物におけるライセンスの種別.
Electrochemistry第88巻3号以降の論文記事はいずれもCreative Commons のCC BY(図中*1)またはCC BY-NC-SA(図中*2)のライセンスを附与している.それ以前については,著者の著作権譲渡により,電気化学会が著作権を保有している(図中*3).
Reproduced and remixed after Shaddim; original CC license symbols by Creative Commons, CC BY 4.0.

Q5-2-1. Creative Commonsにおいてライセンスが附与されている記事の転載許可申請は不要でしょうか?

A5-2-1. 不要です.ライセンスが定める範囲で自由にご利用下さい.著者が宣言したCreative Commonsのライセンスの内容によって,利用者が行うことができる2次利用の範囲が異なります.電気化学会の刊行物においてはFig.3に示すように,オープンアクセス論文や過去に発行された論文,記事などによって取り扱いが異なります.詳しくは「電気化学会出版物の転載に関する対応表」をご覧下さい.[back]

Q5-2-2. CC BY-NC-SAのライセンスが附与される記事を営利目的により使用させていただきたいのですが,著作権者の著者の連絡先が不明です.どうすればよいでしょうか?

A5-2-2. 本会ではNC表記(非営利利用のみライセンス)のある記事を営利目的で使用する場合の許諾や連絡の仲介は行っていません.また,物故者の記事の場合においても,遺族関係者への連絡は行いません.本会は,著者がCCライセンスを選択する場合において,執筆時の投稿の手引きによりこの制約による影響について周知していますが,その結果として著者の意志により選択されたライセンス内容の決定を尊重し,干渉もしません.従って,本件の場合は著作権者から使用許諾を取ることができません.著者の著作権の保護期間はすべての著者の死後70年となっており,現状では事実上営利的利用はできませんので,何卒御了承下さい.[back]

Q5-2-3. Electrochemistryに掲載された論文をもとに学位論文を執筆することになりました.ほぼ全文転載となりますが,転載許可申請は必要でしょうか?

A5-2-3. 不要です.本会は本会会員か非会員かに関わらず,Electrochemistryに掲載された論文の博士論文への載録は,共著者間の合意が得られれば,いずれかの著作権者の権利として認めています.この著作権者の権利は2020年以前の著作権を本会に譲渡された論文についても遡及的に適用します.[back]

5-3. 大会講演要旨の転載

Q5-3-1. 大会講演要旨の図を論文に転載する場合,補償は必要でしょうか?

A5-3-1. 開催後1年以内の大会講演要旨については,著者を除き,全ての方に転載許可申請を求めています.本会の出版物の転載については本会会員の場合,申請することなく行うことが可能としていますが,大会講演要旨集は大会に参加登録をされた方のみが入手できる著作物であり,その利用に関する権利はその負担者である参加登録者にとって不公平感が生じない程度に限定すべきものと考えられるためです.開催後1年以上経過したものについては,非会員の転載利用の場合のみ,補償の対象としています.[back]

Q5-3-2. 大会シンポジウムを主催した専門委員会の事務局です.専門委員会の発行物に要旨を転載し,活動報告として委員に報告したいと考えています.この際に必要な手続はどのようにすればよいでしょうか?

A5-3-2. 発行物の編集代表者から事務局(著作権担当)に直接ご相談下さい.以下の補足に記載の理由により,本会への補償を検討していただく必要があります(大会講演要旨集合意事項 第3条(3)).主催者が負担する補償額は本会機関決定となり,理事会審議に附されます.審議には一定の期間が必要ですので,転載許可申請は早めに行って下さい. [back]

【補足】 大会シンポジウム主催者は専門委員会・懇談会等(以下,主催者)の電気化学会の下部組織であることが一般的ですが,必ずしも本会会員のみからなる組織ではありません.さらに,会員であっても大会に参加していない方も含まれるケースがあります.従ってシンポジウム主催者の代表が本会会員であっても,二次利用者に非会員・不参加者が含まれることを想定し,複写の補償や転載許可申請を行っていただく必要があります.主催者がその関係組織内において要旨を利用する場合でも,無制限に許諾することはありません(大会講演要旨集合意事項 第3条).同様に,シンポジウム主催者に本会と同等の利用を許諾することは本会が著者との大会講演要旨集合意事項の第2条(2)に定めた二次利用の範囲を超え,かつ本会は大会講演要旨の著作権譲渡において,著作権法第61条の2にある第28条(二次的著作物の利用に関する原著作者の権利)に関して特掲しておらず,これらの権利は著者に保留されているものと解釈されるため,主催者は改めて発表者等の許諾を得ることが必要です.また要旨に関する著作権の無償譲渡の対象者は本会に限るため,発表者等に対する補償も改めてお考えいただく必要が生じます(但し,別途主催者と発表者等との間に合意が得られた場合の無償譲渡を制限するものではありません).[back]

Q5-3-3. 電気化学会会員は開催後1年が経過し,Web上に公開された大会講演要旨集からの転載の手続を省略できますか?

A5-3-3. 開催後1年が経過し,Web上に公開された大会講演要旨集は他の公開済み本会出版物と同様,電気化学会員は無償で転載利用できるようになります.[back]

5-4. 動画コンテンツ(エレケムBooks, J-STAGE Data内の動画ファイル等)の転載

Q5-4-1.エレケムBooks (https://ebook.electrochem.jp/)で公開されたファイルを授業で学生に見せたいと思います.利用に当たり注意すべき点を教えて下さい.

A5-4-1. エレケムBooksのコンテンツを掲載されたHPのページのまま案内し,プロジェクターやディスプレイ等で映写することは問題ありません.但し著作権法第35条(著作権者等の許諾を得ることなく著作物等が利用できる要件)で『授業内容に関係するネット上の動画を授業中に受信し ,教室に設置されたディスプレイ等で履修者等に視聴させる』に相当する場合,権利者の権利を不当に害する行為ではないことを明確にしておく必要があります.そのため本会としては仮に提供されている動画の長さが授業時間に相当するものであっても公開されている動画が電気化学の普及を目指していることから,動画の目的に応じて,Creative Commonsによるライセンスを付与しています.なお,オンデマンド授業のため,いったん動画コンテンツをダウンロードして,授業支援システム等にアップロードしたり,画面のキャプチャで複写をすることはページ構成の改変を伴うため,認められません.またページごとコンテンツをアップすることはテクニカルには可能ですが,限定的な公開であっても通常の動画コンテンツの転載となり極めて高額な補償料となりますので,ご注意下さい.[back]

Q5-4-2. エレケムBooksのコンテンツにCC BY-NC-NDが掲載されていました.このライセンスの意味を教えて下さい.このファイルを分割して第3者に提供することは非営利であれば認められるでしょうか?

A5-4-2. エレケムBooksのコンテンツは電気化学の普及を目的としたものであるため,Creative CommonsライセンスとしてCC BY-NC-NDを付与し,非営利目的の改編を伴わない転載を認めています.一方で第3者による営利目的による利用は動画公開の目的と馴染まないと考え,非営利利用(NonCommercial:NC)を付与しています.また,動画や音源の二次利用において,内容や構成の改変(動画の一部の削除や改変,画面への字幕の追加等)を許容すると著作者人格権の1つである同一性保持権を確保することが困難になることから,通常は改変禁止(NoDerivatives: ND)を条件とするライセンスを付与しています.ファイルを分割することはNDの条件に合わず,営利であれ非営利であれ,ライセンスから外れる利用方法ですので,許諾することはできません.また,エレケムBooksのコンテンツをデータとして動画ファイルをダウンロードし,不特定多数のユーザーが見えるサイトに転載することもご遠慮ください.動画ファイルのみをこのページから抜き出すことは,ページの構成を改変する(動画の周りのコンテンツの削除)に当たり,CC BY-NC-NDのライセンスの範囲を逸脱するため,著作権者の了承を得ることなく行うことはできませんので,用途によらずご遠慮下さい.[back]

Q5-4-3. 非会員です.CC BY-NC-NDとしてライセンスされている動画コンテンツを本会が主催するセミナーで利用することは可能ですか?

A5-4-3. CC BY-NC-NDのライセンスを有する動画ファイルを本会が主催する行事で使用する場合については,著作権者が主催する行事での使用となりますので,会員資格に関わらず無償で利用できます.同様に大会等での使用も補償は必要ありません.[back]

Q5-4-4. 電気化学会員です.CC BY-NC-NDとしてライセンスされている動画コンテンツを他学会や企業が開催するセミナーで利用してもよいですか?

A5-4-4. CC BY-NC-NDのライセンスを有する動画ファイルを営利目的で使用する場合(たとえば他学会や営利企業が開催するセミナー等での利用)については,受益者は他学会および企業となりますので補償を伴います.「転載に関する許諾・補償手続」のページにある「補償料計算フォーム」により補償料を算定して下さい.URLの紹介のみに留めていただければ問題はありません.[back]

Q5-4-5. エレケムBooksの動画をPower Point® のファイルに埋め込んで使用することは認められるでしょうか?著作権上,クリアしなければならないことを教えて下さい.

A5-4-5. Q5-4-2で記載されている趣旨に沿えば,Power Point® のファイルに埋め込むことは元のページ構成を変えてしまうことになり,ページ自身の二次利用条件としてNDが設定されているため,一般的には許諾できません.CCライセンスの考え方から著者が直接利用者に使用権を認めた場合はその限りではありませんが本会が著作権の譲渡を受けていることから本会としてはその利用方法は推奨していません.[back]

Q5-4-6. Electrochemistryの論文の付録データがJ-STAGE Dataに動画としてファイルが登録されていました.このファイルはCC BYのライセンスと共に公開されていますが,このファイルは自由に使って良いでしょうか?

A5-4-6. CC BYは営利目的,改変も可という自由度の高いライセンスです.そのため利用そのものは自由に使用していただいて結構です.但し,動画は表現において一部分を抽出したり,画像イメージを改変した場合,データの改変という本来の趣旨から外れた内容になることから,原著者の意志を尊重するためには,元のファイルの意図を十分に考慮して改変しなければなりません.このことは著作権上,同一性保持権といい,著作者人格権の1つであることから,原著者の意志は尊重されなければなりませんので注意して下さい.[back]

Q5-4-7. J-STAGE Dataの動画をプレゼンテーションファイルに埋め込んで使用することはできるでしょうか?その際,補償は必要でしょうか?

A5-4-7. 現時点でJ-STAGE DataにアップされているElectrochemistryのデータファイルはCC BYCC BY-NC-SAでライセンスされているため,改変は可能であり,プレゼンテーションファイルに埋め込んで使用することは可能です.但し,原著者が意図する内容からの改変にならないようにご注意下さい.[back]


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